なぜBaziTypologyを作ったのか
「同じタイプなのに、どうしてこんなに違うのか」という引っかかりから
「あなたは何タイプ?」という会話が、ここ数年でずいぶん身近になりました。4文字のタイプ名をひとつ言えば、初対面でも話が早い。便利な共通語です。
ただ、その共通語を使うほど、引っかかることが増えていきました。同じ4文字なのに、まるで別人がいる。BaziTypologyは、その引っかかりを放置しないために始めたプロジェクトです。
解きたかったのは、たったひとつの問いでした
同じINTJを名乗る二人がいるとします。一方は寡黙で、計画を年単位の時間軸で静かに動かす。もう一方は早口で、思いついた企画を翌週には走らせている。どちらも自分でINTJを選んでいて、どちらも「その説明は自分に当てはまる」と言う。
4文字のタイプ論は、情報の受け取り方と判断の仕方を鮮やかに切り分けてくれます。けれどその切り分けは、あくまで「どう処理するか」という形式についての話です。同じ形式で処理していても、そこを流れているエネルギーの質——速さ、粘り、温度——までは区別されません。
同じ設計図で建てても、木で建てた家と石で建てた家はまるで違うものになります。私たちが説明したかったのは、この「素材」の差でした。
2つの道具に、それぞれ足りなかったもの
MBTI®のような4文字タイプの枠組みは、よくできた道具です。16という数は覚えられるし、人に伝えられる。自分を語る語彙として、これほど広く共有された類型論はそう多くありません。一方で、心理測定の観点からは信頼性・妥当性に議論があることも事実です。私たちはそれを擁護も否定もしません。ただ、道具としての使いやすさは疑いようがない、と考えています。
四柱推命(Four Pillars)は、まったく逆の性質を持っていました。生年月日時を4組の干支に置き換えて読む東洋の古典的な体系で、記述の厚みは圧倒的です。しかし入り口が険しい。天干、地支、日干、十神、用神——用語が続けざまに出てきて、たいていの人は最初の数分で引き返します。日本語でも遠いのですから、英語圏ではなおさらです。
片方は、届くけれど層が浅い。もう片方は、層が深いけれど届かない。それなら、届くほうに深さを一枚足せばいい。出発点はそれだけの発想でした。
重ねる、という発想
四柱推命の中で、最も少ない前提で扱えるのが、生まれた日の天干(日干)から導かれる五行です。木・火・土・金・水の5分類(→ 五行についてくわしく)。これは生年月日から、節気を基準にした暦のルールに従って機械的に算出できます。誰が計算しても同じ結果になる部分です。
そこで、四柱推命の入り口だけを取り出して、すでに多くの人が手に持っている4文字タイプに重ねてみました。16 × 5 = 80。これがバジタイプの骨格です(→ 仕組みの解説)。
実際に手を動かしてみると、この掛け算は思っていたより素直に効きました。同じISTJでも、土のISTJは秩序と安定が正面から噛み合い、火のISTJは静かな外見の内側に熱を溜め、水のISTJは派手さのないまま止まらずに進み続ける。「なんとなく違う」で終わっていた差が、言葉になりました。
BaziTypologyは、日本を拠点とする個人開発者が一人で設計・実装したプロジェクトです。暦計算のコードを書き、80通りの記述を書き、サイトを組んで、2026年7月に公開しました。研究機関の裏付けも、編集チームもありません。そこは正直に書いておきます(→ 運営者情報)。
なぜ「5つの形」なのか
なぜ4でも8でもなく5なのか。直接の理由は、五行という区分がもともと5つだからです。そして五行には、互いを生み・互いを抑える2本の関係(相生・相剋)が内側にあるため、ただ5つに分けるだけでなく、5つの間の関係まで読むことができます。
この数の必然性については→ なぜ5つの形に分かれるのかで詳しく論じています。算出の手順そのものは診断の方法論にまとめました。
私たちが決めていること
タイプに優劣をつけない
80タイプはすべて等価です。「いちばん優れたタイプ」も「珍しいから価値が高いタイプ」も作りません。シナジー型・ギャップ型という呼び分けはありますが、これは噛み合い方の記述であって、良し悪しの判定ではありません。ギャップ型はちぐはぐという意味ではなく、外に見える姿と内側の質のあいだに張力がある、ということです。80タイプの一覧を眺めてもらえれば、どこにも順位がついていないことが分かるはずです。
計算と解釈を、混ぜない
私たちの記述は、性質の違う3つの層——暦計算・自己申告・解釈——でできています(三層モデルの詳しい説明は診断の方法論にまとめました)。暦計算が誰にでも再現できることは、私たちが書く解釈が正しいことを意味しません。この区別を曖昧にしないことを、文章づくりの大原則にしています。
だから文章の中でも、算出結果は言い切り、あなた自身の内面については「〜しやすい」と留保する。強みを書いたページには、盲点も同じだけ並べる。読み終えたときに残ってほしいのは「責められた」ではなく「見つかった」という感触です。
大きく見せない
精度を示す数値は出しません。測っていないからです。「言い当てる」という売り方もしません。BaziTypologyは、生年月日から算出される四柱推命の要素と、4文字の性格タイプを組み合わせた解釈のためのフレームワークです。科学的に検証された性格検査ではなく、将来を予測するものでもありません。自分を捉え直すための「もうひとつの視点」としてお使いください。——その位置から動かさないつもりです。
お渡ししたいのは、言い当てられる体験ではなく、自分を語る語彙がひとつ増える体験のほうです。
これから作るもの
現時点で計画しているのは、次の3つです。
- 相性ガイド——タイプ同士の噛み合い方を扱う記事群。点数化した判定ではなく、どこで前提がずれやすく、どう噛み合わせられるかの記述として書きます。
- 英語版コンテンツの拡充——四柱推命の語彙は英語圏でさらに遠いものです。翻訳ではなく、英語で書き起こします。
- ビジュアルコンテンツ——80のタイプを、文章を読まなくても見分けられる形にしていきます。
いずれも計画段階で、公開時期が確定しているものではありません。進捗があり次第、運営者情報の更新履歴に追記します。
BaziTypologyは、いまも手を入れ続けている途中のプロジェクトです。最初の問い——「同じタイプなのに、どうしてこんなに違うのか」——に、80通りの言葉で答えようとしています。うまく言葉になっているかどうかは、あなたの結果を見て確かめてみてください。
あなたのバジタイプを無料で調べる →※本サービスはエンターテインメント目的の自己分析コンテンツです。生年月日が性格を決定づけるものではなく、自分を捉え直すための「もうひとつの視点」としてお楽しみください。
→ 80タイプの一覧を見る/→ バジタイプとは/→ なぜ5つの形に分かれるのか
執筆・監修: BaziTypology運営(設計・開発・運営者。運営について詳しくはこちら)/最終更新日: 2026-08-03